転調する曲、すごく共感しました。
聴く度、確かにテンションが上がります。
そんな中、ブコメに度々登場する名が…
転調といえば小室哲哉。そしてベストオブ転調は、MyRevolutionだと思う。古いかな。
2015/3/26
あら転調と言えば小室作品かと思ったけど入ってないね
2015/3/24
当時はあんなに嫌いだったのにTKが1曲も入っていない事に怒りを覚えた俺も歳をとった。
2015/3/24
そう、転調と言えば小室哲哉、小室哲哉と言えば転調。
小室哲哉の作品が一曲も紹介されていないではありませんか。
それではいっその事…ということで、小室哲哉の代表的な楽曲の中から、これぞ転調の真骨頂と言うべき珠玉の10曲を選んでみました。
個人的な趣味と、そこそこ大衆に知れた代表的な曲、という観点で選んだので、異議などあるかと思いますがご容赦ください。
My Revolution 渡辺美里
1986
実異調数:2
<注>
実際に演奏される調の数を、ここでは「実異調数」と呼ぶことにします。
Aメロからサビに進行し、ふたたびAメロへと展開する楽曲で「A→サビ→A」のように転調をしたとすると、実際には2回転調しているのですが、戻ってきたAメロが最初に演奏されたAメロとまったく同じ調だった場合、2種類の調が存在することになります。このように、同じ調性を持つブロックが複数ある場合には、その種類の総数をカウントして「実異調数」とします。
小室哲哉の楽曲の中でも、転調が際立っていてゾクゾクっとします。サビ前の「悲しみなんて自分一人で癒すものさ」から「分かり始めたMy Revolution」の音形が、スムーズに下降するので、聴いていて心地よいのだと思います。もし、同調で(サビもBmaj)進行すると、「ものさ→わかり」が、『下降→上昇』になってしまいます。サビで半音下げる、という転調である点も、普段聞き慣れた音楽の進行と違い、かえって斬新でドキッとさせられるのだと思います。
LOVE TRAIN TMN
1991
実異調数:2
TMN後期の名曲。ここでも小室哲哉の一辺倒でない転調の技が光っています。冒頭のサビから、間奏のギターリフまでは同調で進行し、Aメロで半音上げ。そして、そのままサビに行くのかと思いきや、半音下げで曲頭と同じ調に戻す。2度目の間奏ではすぐさま半音上げにし、異なる展開。そして再びサビで半音下げ…
転調するタイミングもさることながら、最後にサビが半音上がる4″31でのドラマチックな転調部分では、実はメロ部分と同調のGm。歌い手にとっても親切な設計になっています。
恋しさとせつなさと心強さと 篠原涼子
1994
実異調数:3
90年代のプロデュース時代にダブルミリオン(200万枚)を記録したヒット曲。この曲にもさまざまな仕掛けを見ることができます。サビとメロが※同主調(主音が同じ長調と短調)という関係になっていて、サビはすこし寂しげな、そしてメロではさわやかな雰囲気を感じることができます。そして、極めつけに最後の半音上げ。一曲の中に転調のエッセンスをこれでもかと投入した、転調好きにはたまらない楽曲です。
同主調
同じトニック(主音)を持つ調。(ある長調(メジャー)に対して同名の短調(マイナー)、また反対にある短調に対して同名の長調)
wikipediaより
I BELIEVE 華原朋美
1995
実異調数:3
当時の小室哲哉の恋人、華原朋美のセカンドシングル。当時ハイトーンボイスを生かし、「他のだれも歌えない、マネできないようなキーの高い曲」と華原朋美が小室哲哉にオファーしたという曲で、3度登場するサビのすべて調が異なっています。(半音ずつ上昇している。)動画はテレビ登場バージョンでカットされている部分がありますが、オリジナルでは間奏での転調などもあるので、さらに聴きごたえのある曲に仕上がっています。
FRIENDSHIP H jungle with T
1996
https://www.youtube.com/watch?v=J4C9et9OWn4
実異調数:3
「Wow War Tonight」で大ヒットを飛ばしたH jungle こと浜田雅功の、小室哲哉とのコラボ第3弾シングル。Queenを彷彿とさせるイントロから始まる曲は、サビ前で半音上げの転調、そしてラストでさらに半音上げ、という展開。TMNの中期にリリースされた「Seven days war」の転調と若干似ているような気もします。
SWEET PAIN globe
1995
実異調数:3
小室哲哉自身も参加する3人組ユニット、globeの3枚目のシングル。実際には3種の調で構成されているのですが、前奏のシンセリフではFからA♭に2小節単位で転調してるなど、この曲も転調を語る上で外せない楽曲。大サビ(ラスト)の前、サビのインストを聴かせて聞き手を焦らし、最後に劇的に転調するという王道の技が効いています。TRFの代表曲「BOY MEETS GIRL」等でも同様な進行を使っています。
masquerade TRF
1995
実異調数:3
TRFの全盛時代、3枚同時リリースの2曲目。展開ごとに目まぐるしく転調が繰り返され、実異調数から想像するよりもさらにドラマチックな構成になっています。サビから始まる曲頭から、ギターリフの印象的な間奏、そして2度目のサビ。間奏の途中に転調をして原調に戻し、3度目のサビ。そして3分辺りからは、これでもかと転調を繰り返し、ラストのサビで半音上げ。これぞ小室マジック(転調)と豪語できる、珠玉の一曲です。
愛撫 中森明菜
1994
実異調数:4
ここからは、いよいよ1曲の中に4つの異なる調が存在するというスゴ技の曲を紹介します。知る人ぞ知る、中森明菜に楽曲提供したこの曲は、基本的なコード進行(Get Wild と同様の進行)を保ちつつ、セクション毎に転調をすることで飽きの来ない「スルメ曲」としてファンから高い評価を得ています。Aメロ、Bメロ、2サビの3つが全て同じコード進行であるという事に気付かせないのは、やはり小室マジックのなせる技だとおもいます。名曲です。
YOU ARE THE ONE TK PRESENTS こねっと
1997
実異調数:4
小室ファミリーによる、日本版「We Are the World」。男女様々なアーティストによる歌唱を想定して、この曲でも劇的な転調を聴くことができます。やはり、後半の安室奈美恵、華原朋美、KEIKO(globe)が続く部分の転調は感動的です。まさに当時は、夢のコラボレーションでした。
Don’t wanna cry 安室奈美恵
1996
実異調数:5
最後は、実異調数が5種類という驚愕の1曲です。動画はテレビ版なのでカットされていますが、オリジナルはさらに展開が複雑で聴きごたえがあります。サビから始まり、メロでは同主調への転調。間奏部では属調(5度上昇)への転調など、この曲も転調エッセンスのフルコースになっています。是非フルバージョンのオリジナルを聴いていただきたいです。