労働基準法はかえって教師を追いつめる!教師の働き方改革

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地方公務員である学校の教員の労働時間が1日あたりどのくらいであるか、みなさんはご存知ですか。

学校現場で働く教員の1日の労働時間は、地方公務員法により7時間45分というきまりがあります。

しかし、実際の現場では、多くの教員がこの時間以上の労働を余儀なくされている状況です。

ここで、一般的な小学校の一日の日課を例に、勤務時間について改めて考えてみます。

下記の日課表は、浜松市立浜名小学校のものを引用させていただきました。

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子どもたちの活動は、朝8:00から、6校時まである日は15:30までとなっています。

お気づきの方もいらっしゃると思います。この時点で勤務時間は7時間30分、残りの勤務時間は15分しか残されていません。

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一般的な学校の就業時間とは

では、職員は労働基準法どおりに働くとすると、15:45には勤務を終え、退勤することができるのでしょうか。

一般的な学校教員の就業時間は、朝8時から夕方5時(学校によって裁量があり、多少の前後はあります)となっていることが多いようです。しかし、そうすると勤務時間は9時間ということになってしまいます。

ここで、もういちど労働基準法を振り返る必要があります。

6時間以上の労働には、45分以上の休憩時間

労働基準法では、以下のような取り決めがあります。

Q 休憩時間は法律で決まっていますか?

A 労働基準法第34条で、労働時間が
6時間を超え、8時間以下の場合は少なくとも45分
8時間を超える場合は、少なくとも1時間
の休憩を与えなければならない、と定めています。

引用元

そのため、学校現場では、勤務時間の7時間45分に45分の休憩時間を合計した8時間30分が実質の労働時間となります。

このため、先ほどの朝8時から夕方5時の周辺の8時間30分を勤務時間として教員は働いているということになります。

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休憩時間はもちろん、本来の業務から解放され、自由な時間を労働者に保証するものです。

休憩時間とは、従業員が権利として仕事から離れることができることを保障されている時間であり、労働時間には含まれません

労働基準法では、次の表のとおり、労働時間の長さに応じて、労働時間の途中に休憩時間を与えなければならない旨が規定されています。

引用元

つまり、「長時間の労働は心身共に大変でしょうから、きっちり休憩を取り、人として最低限の労働環境で仕事をしてくださいね。」という趣旨のことを国が労働者に保証しているのが、本来の労働基準法での休憩時間の規定にあたるものと考えられます。

現状、休憩時間は取れるのか

学校現場を経験された、もしくは子どもの頃の小学校や中学校の担任の教員を想像された方なら、おおよそ教員が勤務中に休憩をとっている姿は思い起こされないのではないでしょうか。

授業後の休み時間や昼休みなどは、あくまで子どもたちの休み時間なのであって、教員は子どもたちの指導や丸付けなどの庶務、保護者連絡や授業準備などに追われ、業務から解放された自由な休憩時間をとることはできません。

数十年前までは、勤務時間の最後、つまり5時が終業の学校であれば4時15分から休憩を取るということにして、実質4時15分に退勤することができた、という話を聞いたことがありますが、「そういったことが可能」であっただけで、実際にこの時間に退勤できた教員はごくわずかであったことと想像できます。現在はこのような休憩時間の取り方をすることはできなくなりました。(労働時間の途中に休憩時間を取ることが義務づけられているため)

労働者を守るための法律が、逆に過労を助長している

つまり、休憩時間とされた45分間が法で規定された労働時間に上乗せされ、実質9時間近い労働を強いられているというのが多くの学校現場の実情です。さらに、この時間だけでは仕事が終わらず、残業をせざるを得ない教員が数多くいます。

しかも、教育公務員は「教職調整額」と呼ばれる手当を受け取る代わりに、残業代が一切受け取れない給与体系になっています。

学校教員はブラック勤務と呼ばれる所以がここにあります。

問題点はどこか?

では、本質的な問題点がどこにあるのでしょうか。

私は、最初に例示した学校の日課に問題があるのではないかと考えています。

地方公務員法で定められた勤務時間の中で教員が職務を終えるには、あまりにも子どもに対応しなければならない時間が長過ぎるということです。

6校時まである日に子どもが学校に最低滞在する時間は7時間30分

もちろん、始業時間より早めに子どもたちは登校してきますし、下校時間についてもすべての授業が終わってから10分程度の幅を持つ必要があるでしょう。

ですから、実際の子どもが学校に滞在する時間はさらに長くなるということが言えます。

大学教授のように、子どもたちが下校したと同時に教員も退勤できるのであればこの日課でもかまわないでしょう。保護者対応や庶務、授業準備などは別担当がすべて請け負い、教員の仕事は、「授業と子どもたちの生活指導のみ」に特化されていることが前提ですが。しかし、実際は膨大な事務作業と授業準備、子どもたちの成果物の採点・評価、会議、保護者対応など、子どもを下校させてからが仕事本番と言っても過言ではないほどの業務量です。

さらに追い討ちをかけるように、平成32年度から始まる次期学習指導要領では、小学校での英語の導入などを受け、さらに授業時数が増加します。現状でもギリギリ、むしろパンク状態。勤務時間がさらに逼迫するだろうことは容易に想像できます。

以下のような極論で乗り切るといった方法もあるようですが。

1日の日課の抜本的な改革を

教員の働き方改革を考えるとき、本質的に考えるべきは「日課」だということを伝えてきました。

教員の数を増やしたり、子どものクラスあたりの人数を減らしたりすることももちろん必要だと思います。しかし、これらのやり方では抜本的に問題を解決することは難しいのではないかと思います。

1日の日課で不要な部分はそぎ落とす。授業時間は減らせないので、休み時間や掃除の時間、給食のシステムやあり方を大きく変えて時間を短縮する。子どもたちは、13時〜14時には下校できるようにする。(こうすると、児童クラブなどの働く親たちのフォローをさらに充実する必要がある)何かを足し算する(英語教育や学力低下への対策、食育など)なら、どこかで引き算をしていく覚悟をもたないと、どんどん教員の負担が肥大していくばかりです。

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