【TED】ジョー・スミスのプレゼンから学ぶ話し方10のコツ

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教師の必要とされる特性は?

深い専門性
豊かな知識
臨機応変な判断力
素早い事務処理能力

数え上げれば、無数に挙げられると思います。

そもそも、全ての特性は教育を受ける子どもが享受されるべきです。
どんなに深い専門知識も、相手にする子どもに伝わらなければ意味がありません。

子どもに伝わること、理解してもらうことが何より大切です。
どんなに偉い人の説教も、聞き手が受け止め、理解し、納得しなければ意味がありません。

つまり、子どもに何かを教えるのであれば、相手に『伝わる』ように『伝える』必要があるのです。
テクニックを駆使し、伝える『プロ』として『しかけ』ることが大切です。

ジョー・スミスのプレゼン

『How to use a paper towel』、ペーパータオルの使い方という題目のプレゼンテーションです。

伝えることと伝わること

このジョー・スミスのプレゼンテーションは、相手に伝わるための『伝えるテクニック』が非常に明解です。

そのため、聞き手は飽きることなく話に耳を傾け、聞き終わる頃にはジョー・スミスの訴えたいことがすっと心に残ります。
つまり、ジョー・スミスの『伝えたいこと』が、彼の思惑通りに聞き手に『伝わる』のです。

なぜ、これほどまでに彼の話は聞き手を惹きつけるのでしょうか。

1.時間

この動画の再生時間は4:24です。
ジョー・スミスの実際のプレゼンテーションの時間は4分程です。

TEDのプレゼンテーションは、おおよそ10分程度とこれまでの講演会や演説に比べて大変短いのが特徴です。
人間が聴覚刺激のみで集中できる限界が15分と言われています。
このため、同時通訳などを行う業務でも、通訳者は15分交代で行います。

この点でも、ジョー・スミスのプレゼンは秀逸です。
4分と言う短い時間で聴衆の集中力を高め、伝えたいことが無理なく伝わるようにしています。

相手が子どもであれば尚更、伝える時間に意識を向けることが大切です。

2.話題

伝えたいことは、たった1つに絞るべきです。

教えたいことがあると、欲張ってしまって次から次へと別のことも話してしまうことがあります。
そうなると、話の焦点がぼけてしまって、伝えたいことが何なのか聞き手に伝わりづらくなります。

ジョー・スミスの話題は明確です。

「ペーパータオルの節約」

これだけです。

4分間、一度も話題がそれることはありません。
終始一貫しています。

3.具体的な数値

具体的な数値を話すことで、聞き手に注意を促すことができます。

ある掃除機のコマーシャルでのナレーション—

他の掃除機の『10倍』の吸引力
最大『40%』多くのゴミを吸い取る

聞き手に量感を伝える時に、具体的な数値を示すことはとても効果的です。
説得力が増すだけではなく、数を示すことで注意をこちらに向けることができるのです。

ジョー・スミスは、プレゼンの冒頭で具体的な数値を連続して投げかけています。
どれだけ多くのペーパータオルがムダに消費されているのか、聞き手に大きなインパクトを与えます。

4.実物・実演

実物を見せる、実際にやって見せる。

聞き手の注目を促し、話に惹きつけるためにとても効果的な手法です。

実演販売につい足を止めて見入ってしまう、という経験はありませんか。
特別興味がなかったはずなのに、実物を使った実演を見ていると、ついつい興味をそそられてしまう。

何が起きるのだろう、と、聞き手に期待感を与えることができます。

さらに、話題に関連する実物を実際に見せることで、複数(多数)の聞き手全員に同じイメージを与え、共有することもできます。

もし実物を見せることなく、言葉だけでのプレゼンテーションだったらどうでしょう。

同じ「ペーパータオル」という言葉でも、聞き手によっては薄いもの・厚いもの、白いもの・茶色いもの、長いもの・短いもの、など、受け取り方は様々です。
実物を見せることでイメージを共有できることは、伝える側としては大変都合の良いことでもあるのです。

5.参加させる

ジョー・スミスのプレゼンの最も参考になる点の一つが、聞き手(聴衆)を巻き込み、参加させているというところです。
彼は2つのキーワードを聴衆に繰り返し声を出して唱えさせます。

会場の半分は「Shake(手を振る)」
もう半分は「Fold(折る)」

たったこれだけです。

大きな声で聞き手にキーワードを言わせる。
このことで、伝えたいことを聞き手に強く印象づけさせ、プレゼンテーションを忘れられない『体験』へと変化させています。

この方法には、もう一つの重要な効果もあります。

聞き手の数名の意識が途中でプレゼンから反れていたとします。
子どもたちが相手となれば、授業中に教師の話を聞かずに別なことへと意識が飛んでしまっているような場面もあるのではないでしょうか。

そんな時にこの『参加させる手法』で、聞き手全員を話し手の世界にもう一度呼び戻すことができます。

6.ユーモア

ジョー・スミスのプレゼンの端々で、ユーモアのあるジョークを聞くことができます。
(アメリカンジョークなので、日本人には若干伝わりにくいものではありますが。)

「12という数字が1音節で一番大きな数字」
「『 interstitial suspension(介在的吸水力)』という言葉は覚えなくても良いですよ」
「次回はトイレットペーパーの話を」

といった具合です。

聞き手に笑いを与えることは、話に惹き込むのに大変効果的です。
笑いを取ることで、相手の心をつかむことができるのです。

7.手順を示す

実際に聞き手が実践する際に手がかりとなる手順を伝えていることも非常に参考になる点です。

ジョー・スミスが示した手順はたった2つです。

『①振る→②折る』

単純明快で、これなら家に帰ってからもすぐに思い出せ、実践できます。

聞き手の記憶に長くとどまらせ、すぐに引き出せるように、なるべく単純で覚えやすい手順を提示することが大切です。
3ステップくらいまでの手順で、それぞれの手順にキーワード(一語で覚えやすいもの)をつけるとさらによいです。

8.繰り返し

ジョー・スミスは、『振る→折る』の手順を変化を加えながら数回に渡って繰り返し実演しています。

最も聞き手に伝えたい所、忘れないで欲しい所は、繰り返し伝えることが大切です。

その際に注意することは、繰り返し「話す」のではないということです。
繰り返し繰り返し同じことをオウムのように話しても、聞き手には退屈以外の何物でもありません。

繰り返し聞き手に動作をさせたり、繰り返し実演を行ったり、繰り返しの中に小さな変化を加えたりすることで、伝えたいことを畳み掛けていくのです。

9.間

ジョー・スミスのプレゼンを聞くと、説明と説明の間に絶妙な『間(ま)』があることに気づきます。

ジョークの後
実演の間、後

そして、身振りだけで伝えたいことを伝える。その間も『無言』です。
または、聞き手(聴衆)に代わりに声を発させていることもあります。

さらに、絶妙な『間』を作り出すために、話し方に工夫があることにも気づきます。

一文一文が大変短いのです。

ああだこうだと、だらだら話すことはしません。
伝えたいことを簡潔に述べて『間』。そして続けて述べて『間』。この繰り返しです。

10.次回への期待

ジョー・スミスはプレゼンをこのように締めくくります。

「Next year,toilet paper.(来年(次回)はトイレットペーパーについてを。)」

本当にトイレットペーパーについてのプレゼンを行ったかどうかは不明です。
しかし、聞き手の多くは「また聞きたい」「今度はどんなプレゼンだろう」と期待感をふくらませます。

教師の話もこうありたいものです。

三部作映画の第一部のエンディングのように。
連続ドラマの次回予告のように。

次はどうなるのか、待ち遠しくなるような締めくくり方は、見事としか言い様がありません。

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