少人数学級で変わる日本の教育

few

文部科学省が、公立小中学校の土曜登校を復活させ、学校週6日制を検討しています。

文科省の『土曜授業に関する検討チーム』によれば、公立小中学校の土曜授業について、教育委員会判断による実施か否かの判断をしやすくする省令を改訂する方針を示し、早ければ26年度から『土曜授業』を復活させる意向です。

本当に土曜授業を復活させることで、日本の学力が向上するのでしょうか。

さまざまな特性を持った子どもたちが混在する、日本の多人数学級

 

さまざまな個性を持つ子どもたちが集まる学校の教室。

文部科学省調べによれば、平成23年には、特別支援学級に在籍ならびに通級による指導を受ける児童は、全体の約2.7パーセント。

学習障害(LD)、注意多動性障害(ADHD)、高機能自閉症など、支援を必要とする児童は、全体の6.5パーセント。

つまり、35人学級では、特別支援学級に在籍する子どもがおよそ1人。LD、ADHD、自閉症等の診断を受けている児童が2人いる計算になります。もちろん、実際はこの数字よりも多くの子どもたちが、該当するか否かのボーダーにいて、支援を求めているものと推測されます。

文部科学省『特別支援教育について』より抜粋

近年、特別支援学校や特別支援学級に在籍している幼児児童生徒が増加する傾向にあり、通級による指導を受けている児童生徒も平成5年度の制度開始以降増加してきています。平成23年5月1日現在、義務教育段階において特別支援学校及び小学校・中学校の特別支援学級の在籍者並びに通級による指導を受けている児童生徒の総数の占める割合は約2.7パーセントとなっています。また、学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)、高機能自閉症等、学習や生活の面で特別な教育的支援を必要とする児童生徒数について、文部科学省が平成24年に実施した「通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」の結果(※資料(データ、通知、答申、報告書等)へリンク)では、約6.5パーセント程度の割合で通常の学級に在籍している可能性を示しています。

支援を必要とする子どもたち。一人の教師で指導しきれない場合も。

35

クラスに平均的に2〜3人在籍するとされる『支援を必要とする子ども』。多動性が強く、離席が激しい子どもや、授業中にも衝動的に暴力を振るってしまう子ども。パニック症状に陥る子どもや、集団のルールがなかなか理解できない自閉傾向の強い子どもなど、一人の教師では対応しきれない場合が多人数学級では起こりがちです。

ある子どもが授業を妨害するので、その対応をしている間授業はストップ。それを見て同調する子どもが次々に現れ、学級は統制の取れない状態に。まじめに授業を受けたい子どもも、学習どころではなくなってしまいます。

 

少人数学級だから『できる』。 子どもと教師 双方のメリット。

クラスを少人数にすることで、支援を必要とする子どもたちのクラス当たりの人数を抑えることができます。

教師にとって『困った子、困らせる子』は、実はその子自身が『困っている子』であることをわすれてはいけません。

支援を必要とする子どもが、少人数の落ち着いた雰囲気の中で、『学習する環境』を体感し、「学習しなければならない」という自覚をもつことがきわめて重要です。よい意味で『追い込む』ことが大切なのです。

34

上の表(文部科学省 平成17年度における少人数学級の実践例より抜粋)は、平成17年度の少人数学級導入例です。全国学力・学習状況調査で上位の地域も率先して少人数学級を導入していることが分かります。

多人数の中で、学習に乗り遅れてしまったり、分からないことを分からないまま取り残されてしまう子どもがいます。授業中ぼんやり何も考えず、先生に声をかけてもらうこともないまま授業が終わってしまう。

少人数学級の中で学習することで、教師にとっても、子どもたち全体を見るゆとりが生まれ、学習に乗り遅れた子どもに声をかけたり、一人ひとりにきめ細やかな指導を行ったりすることができるようになります。

諸外国の1学級における人数は。

下のグラフは、『1学級あたりの子どもの人数』の国際比較です。(OECD『図表でみる教育2013』より抜粋)

青い棒グラフが2011年。黒いダイヤが2000年の同国の人数です。

日本は、2011年、1学級当たりの人数が27.9人となっています。2000年の29.0人に比べると減少しているものの、諸外国と比べても、その人数は非常に多いことが分かります。

33注目すべきは韓国。2000年には40人近かった1クラス当たりの人数が、10ポイント近く減少しています。すでに少人数クラスに向けての取り組みが始まっていることが分かります。

土曜授業の前に、やるべきことがある

これまで述べてきたように、日本の40人学級制では、様々な点から子どもたちと教師に負担をかけていることが分かります。そんな中で、土曜授業を復活し、授業時数を増やすような小手先ばかりのやり方で、子どもたちの学力が本当に上がるのでしょうか。

32

子どもたちの学習する場を保障するためには、毎時間の充実した授業を確保すること、そしてよりよいクラス環境を提供することが大切だと思います。

そのためには、中身の伴わない時数増や土曜授業の復活などではなく、思い切った少人数学級の導入を進めてほしいです。

スポンサーリンク

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>