アスペルガー症候群と高機能自閉症の特徴と対応

アスペルガー症候群とは

アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害の一つで、コミュニケーションや他者の気持ちを推し量ったりすることに困難が生じる自閉症の中でも、言葉や知的発達に遅れがないのが特徴です。

アスペルガー症候群は、広汎性発達障害の一種で、高機能自閉症とその特徴がとても似ています。言葉が流暢に話せるため、「わがままな子」「空気が読めない子」などと誤解を生んでしまうこともあります。

アスペルガー症候群の特徴

アスペルガー症候群の子どもたちには、共通する特徴が見られることが多いです。ただし、その特徴には個人差があり、子どもによってその様子は千差万別です。

特徴

・相手の様子や気持ち、意図をくみ取る(読み取る、察する)ことができない。

・一方的に話し、話し出すと止まらない。

・はっきり言わないと、理解することができない。
(言葉の裏の意味や慣用句、たとえ話などが理解できない。)

・こだわりがある。
(五感に敏感。音や目に入ったもの、触られることなどへの嫌悪感など。)



自閉症とアスペルガー症候群の違い

自閉症とアスペルガー症候群の境界は非常に曖昧で、医師でもどの障害であるか断言するのはとても難しいのが実情です。しかも、学童期ぐらいまでの子どもの場合、その子の性格なのか、障害であるのか、成長の途中にあると「障害」と断定することが出来ない場合もあります。

大切なのは、障害であってもそうではなくても、その子の持っている特性を周囲がよく理解し、ありのままを受け入れることです。アスペルガー症候群と診断された子どもでも、一人ひとり特性はまちまちです。一つの個性として、直そうとするのではなく、理解しようとする姿勢が大切です。


こんなことに困っています。

思った事を一方的に話してしまう

相手や周りの様子を察知するのが苦手です。「空気を読む」ことが難しいのです。そのため、思いついた事を、周囲の状況に関わらず一方的に話してしまうことがあります。

相手の気持ちを推察できない

アイコンタクトや、ボディーランゲージなどでの合図を理解するのが苦手です。遠回しな言い方や、表情や態度、口調などの、曖昧な表現を理解したり、意図をくみ取ったりする事が難しい場合があります。

想像したり、意味を読み取ったりできない

算数の文章題や、国語の読み取りなど、文字から映像をイメージしたりするのが苦手です。また、自分で考えた事を作文にしたり、絵に描いたりすることも難しいことがあります。

ルールの般化ができない

ルールは理解することができます。しかし、ルールを他の場面に応用したり、一度に複数のルールを守ったりすることに難しさを感じることがあります。

五感に敏感

触られる事(触覚)、食への好き嫌い(味覚)、音(聴覚)、刺激物や興味を引くもの(視覚)、匂い(嗅覚)に強いこだわりが見られます。極端にいやがったり、逆に異様に執着したりすることもあります。

初めての体験が苦手

同じ手順や、やり慣れた事へのこだわりが強い場合があります。そのため、いつもと違うことに強い抵抗を感じてしまいます。これからの見通しがもてないことにも、恐怖心を抱いてしまうこともあります。

アスペルガー症候群の子への対応

アスペルガー症候群は、発達の問題であって、病気ではありません。『直す』のではなく、『対応する』という意識を持って対応する事が大切です。


視覚化する

アスペルガー症候群の子どもたちの多くは、さまざまな課題を抱えつつも、視覚情報(目で見て理解する情報)に対する理解はしやすいという傾向があります。

言って聞かせるのではなく、実際にやって見せる。言葉で説明するのではなく、絵や写真で指示する。

学校教育においても、視覚化を推し進める動きが始まっています。
学校教育のユニバーサルデザイン

環境を変える

アスペルガー症候群に限らず、発達障害を抱えた子どもたちは、周りの環境に大きく影響を受けてしまいます。このことを『状況依存性』とよびます。周りの刺激物や、物事の仕方・方法などによって、反応に大きな違いが出てきます。

環境が適切でない状況にいる中で、不適切な行動をしてしまう子どもを叱りつけるのは、本人も混乱してしまいます。まずは、周囲の環境から変えましょう。

受け入れる

まずは、障がいを特性・個性として周囲の人たちが受け入れるようにしましょう。得意な事、不得意な事は障がいの有無にかかわらず、だれにでもあることです。得意な事はおおいに伸ばし、ありのままを認め、理解するように努めましょう。

周囲に特性を伝える

周囲の人に、その子のもつ特性を伝えましょう。『障がい』として伝えるのではなく、『特性』として伝えるようにします。どんなことが得意で、どんな事に「困り感」を抱いているのか。どのような声かけをするのが望ましいのか、周囲の協力を得るようにしましょう。

無理をさせない

「このくらいだったら」「ふつうなら」という固定観念が、アスペルガー症候群を抱える子どもたちには通用しません。パニックに陥ってしまったり、不適切な行動を起こしてしまったりしたら、無理をさせずにクールダウンができるようにします。

本人にしっかり伝える

アスペルガー症候群の特性として、場面にふさわしくない行動を取ってしまう事も少なくありません。迷惑になる事、嫌な事は、はっきり本人に伝えましょう。その際には、「正しい事」「望ましい結果」を伝えるようにします。曖昧な表現では本人に伝わらないばかりか、状況を好転させるきっかけも失ってしまいます。

いざという時の心の憩いの場を

パニックを起こしてしまったり、トラブルが起きてしまった時、安心できる場、一人になれる場を用意するようにします。我を忘れた状況の子に、何を言っても耳に入らないばかりか、状況をさらに悪化させてしまうこともあります。まずは刺激の少ない安心できる場でクールダウンできるようにし、落ち着いてから冷静に状況を振り返ることができるようにしましょう。

さいごに

アスペルガー症候群の子どもと向き合うためには、その特性をよく理解し、受け入れる事が大切です。
今回は、以下の著書を参考にさせていただきました。図解やイラストも多いので、読みやすく非常にわかりやすいのでおすすめです。



また、ドラマ化もされ、自閉症についてのリアルな描写が話題となった漫画をご紹介します。

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